やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/10/15
減価償却資産の計上単位

[相談]

 私は、ホテル業を営む会社(法人税法に定める中小企業者等に該当します)を経営しています。
 このたび、顧客サービス向上及び他社との差別化のために、全客室(300室)のトイレ(タンク付きトイレ)を高級品(1基あたり40万円)に取り替えることとなりました。
 その請求書の内訳を見ると、「便器28万円、タンクその他12万円」と表記されています。
 法人税法上、今回の取り替えについて、30万円未満の少額減価償却資産の損金算入の特例は適用できるでしょうか。


[回答]

 ご相談のトイレについては、取得価額を40万円とする固定資産として減価償却資産に計上し、減価償却を行うべきものと考えられます。したがって、30万円未満の少額減価償却資産の損金算入の特例は適用できないものと考えられます。


[解説]

1. 減価償却資産とは

 土地や建物・車両などは、法人税法上、「固定資産」として定められています。
 その固定資産のうち、建物、構築物、機械及び装置、船舶、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で減価償却(購入した資産の費用を購入した年に一気に計上するのではなく、定められた耐用年数に分割して毎年計上すること)すべきものとして定められている資産を「減価償却資産」といいます。


2. 減価償却資産の取得価額の判定単位

 減価償却資産の取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。
 例えば、機械装置については1台又は1基ごとに、工具・器具・備品については1個、1組又は1そろいごとに判定することとなります。
 具体的には、カーテンを例に挙げると、カーテンは1枚で機能するものではなく、1部屋で数枚が組み合わされて機能するものであるため、1部屋ごとにその合計額で取得価額を判定することとなります。


3. 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の概要

 青色申告法人である資本金の額が1億円以下などの“中小企業者等”が、令和2年(2020年)3月31日までの間に取得価額が30万円未満である減価償却資産を取得等をして事業の用に供した場合には、損金経理(決算において費用又は損失として経理すること)すること等を要件として、1事業年度あたり300万円(事業年度が1年に満たない場合には月数換算)を上限に、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入(費用又は損失として計上)することができます。
 この特例を「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」といいます。


 今回のご相談の場合、タンク付きトイレにおける便器とタンクは、それらが組み合わされてはじめて機能するものですから、取得価額は便器とタンクを分けて判定するのではなく、それらをまとめた1基ごとに判定する必要があると考えます。
 つまり、1基あたりの取得価額は40万円となることから、上記3.の特例は適用できず、通常の減価償却資産として各年度において減価償却費を計上することとなるものと考えられます。


[参考]
 法法2、法令133、措法67の5、法基通7−1−11〜12など


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