やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2021/08/24
新型コロナ関連/業務命令によるPCR検査費用等の取扱い

[相談]

 私は飲食店を運営する会社を経営しています。
 我が社では、お客様の健康を守る観点から、全従業員に対して週1回のPCR検査を受けることを義務付けることにしました(費用は全額会社負担です)。
 また、一定役職以上の社員における新型コロナウイルス感染症拡大防止対策関連の業務負担が増加していることから、それらの社員に限定し、毎年全従業員に実施している定期健康診断とは別に、人間ドックを実施することも検討しています(費用は全額会社負担とする予定です)。
 そこでお聞きしたいのですが、上記のPCR検査費用と人間ドック費用について、従業員個人への所得税の課税(給与所得課税)は生じないと考えてよろしいでしょうか。


[回答]

 ご相談のPCR検査費用についての給与所得課税は生じないものと考えられますが、人間ドック費用については給与所得課税が生じるものと考えられます。


[解説]

1.経済的利益に対する所得税の取扱いの概要

 所得税法上、給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費、賞与等による所得(給与等による所得)をいうものと定められています。

 また、会社から役員や従業員が金銭以外の物、権利などの経済的な利益を受けた場合には、その経済的利益についても給与所得に含める必要があります。

 ただし、会社が役員や従業員に対し、役員や従業員の福利厚生等のための費用を負担することにより、役員や従業員が受けた経済的利益については、それが役員や特定の地位にある人だけを対象として行われるものである場合を除き、課税しなくてよいこととされています。

2.業務命令によるPCR検査費用の取扱い

 国税庁が公表しているFAQによれば、業務のために通常必要な費用として、企業の業務命令により従業員が受けたPCR検査費用を会社が負担したときは、その費用については給与等による所得には該当しないものとされています。

 このため、今回のご相談のPCR検査費用については、従業員への給与所得課税は生じないものと考えられます。

3.特定の社員だけを対象とする人間ドック費用を会社が負担した場合の取扱い

 人間ドックの費用については、役員や従業員の健康管理上の必要があるとしても、役員や特定の地位にある人だけを対象としてその費用を負担するような場合には、上記1.の取扱いに基づき、会社が負担した検診料相当額については給与等として所得税が課税されるべきものと考えられます。

 したがって、今回のご相談の人間ドックを実施された場合には、対象従業員に対して健診料相当額の給与所得課税が生じるものと考えられます。

[参考]
所法28、36、所基通36-29、国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」、国税庁源泉所得税質疑応答事例「人間ドックの費用負担」など


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